狭心症は心臓の栄養血管である冠動脈の狭窄により、心筋の酸素需要と供給にミスマッチが生じ、労作時を中心に胸痛を自覚する疾患です。一方、心筋梗塞は冠動脈の閉塞により胸痛が持続する疾患であり、緊急治療が必要となります。いずれも動脈硬化に由来する疾患であり、高齢化・食生活の欧米化などを背景に本邦でも増加し続けています。これら冠動脈疾患の診断は、心筋シンチグラフィ、冠動脈CT, 冠動脈造影などによって行い、血行再建が必要と判断される場合は当科にて経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行しています。治療手技やデバイスの進歩によりPCIで治療可能な領域は拡大しておりますが、病変によってはPCIでなく冠動脈バイパス術をお勧めさせていただくこともあります。また、侵襲的治療のみならず、冠動脈疾患発症の原因となる冠危険因子（高血圧、脂質異常症、糖尿病など）の管理にも力を入れています。